第50回の定例会はオンラインでの開催です。研究会メンバーで保険業界を長く経験されている江島さんから「損害保険から見たレジリエンスとSDGs」というテーマでお話しいただきました。
1.保険の歴史
保険の歴史は古代ギリシア時代の海上輸送において、予期せぬ損害が生じたときにその損害を荷主と船主で負担する、という習慣が生まれました。これが保険の考え方の始まりだそうです。
日本においては江戸時代初期の、中国や東南アジア諸国との間で行われた貿易が期限といわれています。江戸末期には福沢諭吉により、西欧の保険知識が紹介され、その後研究や補償の試みが行われ、明治12年(1879年)に専業の海上保険会社として「東京海上保険会社」が設立されました。
設立には、やっぱり渋沢栄一先生が関わっています^^

2.世界・日本の自然災害
自然災害がもたらす経済損失についての情報共有もいただきました。
・2023年の世界の自然災害の最大の経済損失はトルコ・シリアの地震災害で924億ドル
・1900年以降での世界の自然災害の最大の経済損失は東日本大震災の2350億ドル、
2番目は阪神淡路大震災で1030億ドル。
損失TOP10の中には、アメリカのハリケーン被害が6件含まれています。
3.現状認識
昨今の気候変動の影響による災害リスクや、企業への影響、わが国における災害レジリエンスにおける取り組みについてお話いただきました。
・気候変動の影響と推定される要因での大雨の発生頻度が1980年頃と比較すると
約1.7~2.3倍に増加している。
・経済産業省では、産業政策の1つに「災害に対するレジリエンス社会の実現」を
・国土交通省では、「国土強靭化政策」を掲げており、国としてもレジリエンス向上に
向けた取り組みを強化している。
・レジリエンスの4要素↓↓↓

4.まとめ
ブレイクアウトセッションでは、中小企業診断士として企業のBCP策定の支援に意識を向けてみたい。や、現状回復ではなく、より良い復興の計画づくりの重要性を意識した事業者とのコミュニケーションを図ってみたい。などの意見が出ていました。
最後に東京海上グループのSDGsの取り組みについてご紹介いただきました。昔から社会課題解決の取り組みをされていて、なんと2013年度から毎年度、カーボン・ニュートラルを実現されているそうです。(スゴイ!)*他にもいろいろ。
以上、第50回定例会の報告です。ここまで読んでいただきありがとうございます。
当研究会では今後も、多方面にサステナビリティ経営やSDGsの意義を普及し実践していくべく、活動してまいります。
ご支援・ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。