第39回定例会は、「中小企業におけるSDGs対応の実際」と題して、研究会メンバーの仲谷さんに講話いただきました。
仲谷さんは、姫路の金属材料の卸・加工を営むアークハリマ(以下、AH社)の経営管理セクションでお勤めです。2021年に当研究会として初となるSDGs支援の実践をさせていただいた企業です。SDGs推進のきっかけや、支援を受けての組織の変化、SDGs推進における今後の展望などをお話いただきました。
1.SDGs推進のきっかけ
AH社のSDGsの取り組みは、2019年にAH社長がSDGsのセミナーを聞き、社長のアンテナに引っ掛かり、経営管理に調査の指示が降りてきたことから始まります。
経営管理で調査をしていく中で、世界が直面している課題に対してSDGsの考え方が寄与し、その活動が自社の課題解決につながることがわかりました。

単独でのSDGsの推進に不安もあり金融機関やコンサルタントに導入支援を打診しますが、その費用が高額であったため、導入が足踏みしていました。そんな折、当研究会の活動が仲谷さんの目に留まり、相談をいただいて導入が始まりました。
2.SDGs推進の取り組み
独立診断士、企業内診断士と様々なバックボーンを有する10名ほどのチームで、約半年にわたり支援を行いました。
全体研修会を6回、管理職向けの個別検討会を4回というボリューミーな内容です。

SDGs導入以前より、AH社経営層には事業基盤をより強固にするための課題がありました。
1.売上を定常的に現状の2倍にしたい
2.大型設備投資の実施
3.事業基盤がぜい弱
4.社員満足度の向上
5.人員確保
SDGsと自社の課題を紐づけていく中で、以下の4つのテーマが重要な取り組みとして、解像度が高まっていきます。

また、研修やワークショップを通じて、この4つのテーマが社員に理解されジブンゴト化された、と評価をいただきました。
3.SDGs導入による社内の変化
AH社では、SDGsの考え方が導入され、以下の変化が社内でも生まれてきました。
・社員のモチベーション向上
・部門間コミュニケーションの活性化
・社内勉強会の活性化
・クリーンエネルギーの活用
・新事業の取り組みの加速



全体の研修を通じて、自分たちの仕事がどのように社会課題に貢献し得るか理解が深まった、これまで以上に部門間でのコミュニケーションの活性化につながった。この2つの評価は支援にも関わったメンバーとして光栄に思います。
4.企業へのSDGs導入における課題
中小企業診断士でもあり経営管理のスタッフとして導入の取り組みに関わられた仲谷さんから、SDGs導入における支援者側に対する課題をいただきました。
支援に関わった立場として大きく受け止めたことは、各回で実施している研修やワークショップが何に繋がっているのか見えにくい、ということでした。
仲谷さんからは、研究会への提案として、
・何のための研修であるか、ゴールを提示しながら研修を行う
・導入期間中の企業の方針転換に対応できるよう、大まかな導入支援の「型」をつくる
の2つを提示いただきました。

経営管理のスタッフとしての課題として、研修後にもSDGsの考え方が風化しないように腐心している、とのこと。
SDGsの取組み自体を持続可能なものに出来るように、業務の仕組みの中に取り込むよう、日々思いを巡らせているようです。
5.まとめ
SDGsの導入支援を終え約2年が経過し、採用活動のツールとしての活用や地元での知名度向上に役立っている、という報告がありました。

実際に、採用に関して学生からのエントリー数も大幅に増加し、理想とする採用活動ができつつあるとのことでした。
支援に携わらせていただき、研究会としても嬉しく思います。
仲谷さんから頂いた支援者側の課題を受け、研究会としても支援内容の向上を図っております。ブログをご覧になられた方でご興味ある方は是非ご一報くださいまし^^