今回は当研究会メンバーが参加していた神戸市主催の「プロジェクト・エングローブ」の報告となります。
「プロジェクト・エングローブ」は持続可能なビジネスにチャレンジする神戸市主催のイノベーション創出プログラムです。当研究会の鹿島さん・田中さん・横山さんの3名がクリエイティブ・パートナーとして参加。神戸市内の事業者とイノベーション創出に向けて歩んだ半年を振り返ってもらいました。
当日は田中さんの司会で例会が進行されました。
1. ESG経営について
イントロとして、横山さんからESG経営についての説明が行われました。普段何気なく使っている「ESG」のアルファベット3文字ですが、この文字の順番にも意味があるんじゃないか。という視点は新しい気づきになりました。

他にも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年に署名したPRI(責任投資原則)がESG投資の原型になっているお話や、それより以前にあった社会的責任投資との違い、ニュー資本主義としてESGが重要視される背景をコンパクトに説明いただいたりと、改めて勉強になりました。

2.プロジェクト・エングローブについて
「プロジェクト・エングローブ」の概要について、田中さんよりご説明頂きました。
”22世紀に残るビジネスのために”、”共創からはじまる「地球にいい」ビジネスを”
を掲げて2021年度から始まった、神戸市主催のイノベーション創出プログラムで、神戸市内の中小企業が中心となって、持続可能なビジネスにチャレンジします。
2021年度の参加事業者も立ち上げた事業をしっかり継続され、成果を出しつつあります。
業界や業種、都市や国などの境界を超えて、多様なステークホルダーとの関係の中で「なぜ今、自分たちがこれをやるのか」という社会的存在意義(パーパス)を強く意識し、構想実現に向けてバリューチェーンを組み直す必要があります。「プロジェクト・エングローブ」は、神戸市内企業と多様な経験とスキルをもつクリエイティブ・パートナーとの共創を通じて、このプロセスの構築・進化に取り組むラボ型のプログラムです。(ホームページより抜粋)
お三方は中小企業診断士の肩書で参加されていましたが、クリエイティブ・パートナーには、デザイナーやプログラマー、マーケターなどの方々が参加されていたそうです。
また、今年度は関西学院大学の研究室もプロジェクトに参加され、産官学の連携も見られました。
元銀行員である田中さんが、決算書を見ることなく事業者さんと深いコミュニケーションをとることができたり、また多様なメンバーでプログラムを深耕し新しい視点を獲得できて、とても有意義な経験を得られたと、おっしゃられたことがとても印象的でした。
3. 支援内容について
具体的な支援内容のご報告を鹿島さんから説明いただきました。お三方がパートナーとして関わった事業者は垂水重機さまです。
土木業界は慢性的な人手不足で、また仕事にやりがいを感じにくいということがあります。(土木業界の課題)
また、住民が置き去りにされたインフラ整備も多く、市民は自分たちの為の事業であるのにどこか他人事で、本当に地域にとって必要なものは何か。(地域の課題)
この2つをつないでイノベーションを創出できないか。というところからスタートしたそうです。
まずは、パーパスづくりから。このパーパス策定にかなりの時間を費やしたそうです。
出来上がったパーパスは「今を生きる土台をつくる」です。 とても良いですね♪

このパーパスをベースに目指したい未来(ビジョン)を策定、そのビジョンを達成するための新事業の展開の立案といった流れになります。


事業のロードマップイメージや事業展開の課題など、実際にはもっと内容の濃ゆ~い報告でした。
事業者さんとはタクティカルアーバニズムの事例を参考にチャレンジを続けて事業を推進していきましょう。とお話されているようです。(タクティカルアーバニズム、ぜひググッてみてください)
印象に残ったことは、社長が少し不安を感じながらパーパスを従業員に説明したら、想定以上に受け入れてもらえた、というエピソードです。
中小企業診断士は、企業の目先のお困りに対して支援をする機会が多いので、事業者さんととことん向き合いながらパーパスを作り上げるプロセスは、診断士でもなかなか得られない機会、というお話も印象に残りました。
鹿島さん、田中さん、横山さんお疲れさまでございました!!
また貴重な学びの共有をいただきありがとうございました!!
今年度も「プロジェクト・エングローブ」が開催されたら、要Checkです。