今年最後の例会は、研究会会員で、あらゆるゲームのファシリテーター資格を持つ、金澤さんに『ビールゲーム』を行って頂きました。
ビールゲームとは、MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発された、サプライチェーンマネジメント(SCM)とシステム思考を学ぶためのビジネスシミュレーションゲームです。システム思考はサステナビリティにとっても重要な考え方です。さて、どんな展開になったのでしょうか?
1.「ビールゲーム(The Supply Chain Game)」体験
今回は8名の参加者が4名ずつのチームに分かれ(チーム名は「サンセットビール」「へなへなエール」)、それぞれ「小売」「卸」「流通」「工場」の役割を担当しました。
ゲームの目的は、消費者のニーズを汲み取りながら、適切な在庫量を管理し、品切れを起こさないようにビールを流通させることです。最終的には、サプライチェーン全体での受注残と在庫量を最小化したチームが勝利します。ファシリテーターの金澤さんから、丁寧に説明してもらいましたが、初参加の方は少し理解に時間がかかったようです。
ポイントは、プレイヤー間のコミュニケーションが制限されており、各自の意思決定は独立して行われるところです。発言は慎みながら進行するゲームですが、進行につれて、「在庫がない!」とつい声をあげてしまう参加者も。注文量が多すぎてビールの納品に思いのほか時間がかかってしまい、ゲームが中断する場面も見られました。
あっという間に30ターンほどすぎたところで、ゲーム終了。結果は、「サンセットビール」チームの勝利となりました。「へなへなエール」チームは、在庫不足から増やした発注が増幅され、過剰在庫となってしまいました。これは、ブルウィップ効果と呼ばれ、「情報が多段階を経て伝達されるとき、誇張されたり情報劣化を起こしたりすること」です。小さな需要変動が、消費者から工場へ上流にいくに従って大きく振れてしまうことを、ゲームで実体験できました。ブルウィップ効果を抑制するには、情報の共有化がポイントでしたね。


ゲームの振り返りでは、サプライチェーンの情報伝達とサステナビリティの関連について考察しました。ブルウィップ効果を逆手に利用して、サステナビリティの行動・意識をサプライチェーンで大きく拡散できるのではないかという意見が出ました。実際に試してみたいですね。
2.2025年の振り返りとダイアログ
残りの時間では、幹事メンバーより「サステナビリティの視点から振り返る2025年」というテーマで話題提供をさせていただき、ダイアログを行いました。AIを活用した総括の中で、特に注目すべきトピックスとして「管弦楽団のブラインド採用(ダイバーシティの観点)」「NEDOのAIによるクラック調査」「食品会社におけるAIロボティクスを用いた惣菜盛り付け」の事例紹介を行いました。
続いて、参加者全員で1年の振り返りを共有しました。以下のような意見、コメントがありました。皆さんはどんな25年でしたか?
・万博やサステナビリティに関連するテーマが多かった。
・SDGsに取り組みやすい環境が整いつつある。
・日々の実務の中では十分に意識できていない面もある。
・来年は地域での取り組みに力を入れたい。
最後に、今後の研究会で深掘りしたいテーマについて検討しました。「中小企業におけるサステナビリティ経営の在り方」「SDGsのその先(ポストSDGs)」「地方創生のモデルケース」「女性活躍に向けた各種認定制度の取得支援(採用強化)」といったアイデアが出され、2025年最後の例会を締めくくりました。
以上、第64回定例会の報告でした。最後まで読んでいただきありがとうございます。
当研究会では今後も、多方面にサステナビリティ経営やSDGsの意義を普及し実践していくべく、活動してまいります。
皆さまには引き続きご支援・ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。