2022年7月16日、第23回定例会をハイブリッドで開催しました。「サステナブル・スタディ・ツーリズム(試行版)」と題して、特徴的なお取組をされている木材関連産業2社(吉野中央木材株式会社さま(奈良県吉野町)、株式会社徳田銘木さま(奈良県黒滝村))から、持続可能な社会づくりや企業について学ぶことができました。

今回、ブログ執筆にあたっては、6月からご入会いただいたばかりの松村さんにご協力をお願いしました! ありがとうございます。
1.吉野中央木材株式会社さま
吉野中央木材㈱さまは、吉野杉のフローリング材等を製造・販売する製材所です。ヤマロク醤油への木桶プロジェクトにも参画し、桶用杉材の提供でも知られる会社です。当日は、石橋専務さまに工場をご案内いただき、ご説明いただきました。

広い敷地内に膨大な数の木材が保管されている光景に、一同ワクワクが止まりません! しかし、それでも少ない時期とのことでした。吉野では、木の成長時期に合わせて、7月~1月に伐採するそうです。さらに伐採後、すぐ運び出すのではなく、木から水分を蒸発させるためにしばらく放置しておきます。これによって、色がきれいになる上に、軽くなって運びやすくなるとのことでした。


製材用の大きな電動ノコギリも見せていただきました。自動化が進んでいる時代ですが、1本1本の個性を活かすため、60年前から変わらず人の手で切っているとのことです。

「吉野杉の家」というコミュニティハウスの運営も行っています。1階はスギ、2階はヒノキが全面的に使われている、今までに見たことのないような美しい空間でした。宿泊可能な施設で、コロナ前は世界中からゲストが訪れたため、お酒を片手に夜通し語り合い交流できることが醍醐味だと、スタッフの方が楽しそうにお話しされていました。


2.株式会社徳田銘木さま
㈱徳田銘木さまは江戸後期創業で、地元吉野の木材などを取り扱う生産・流通業です。社有林の造林・植林にも取り組んでおられます。
これまでの木材業界の常識にとらわれず、新しい感性を活かし、大勢の方々と繫がり、木材の良さを活かしつつ自社ブランディングに取り組む、徳田社長にお話を伺いました。

倉庫に足を踏み入れた途端、全員が「うわぁ…!」と声を上げるほど、壮観な景色が広がっていました。高さ5mにも及ぶ木が、数えきれないほど並べられています。しかも美しい。言葉では形容しがたい芸術品のような木ばかりでした。


元々は、床柱などが主力だったそうで、そこで培った技術・ノウハウを活かして自然木を製造販売されているとのことです。
自分たちはあくまで材木屋であり、その具体的な活用方法は、デザイナーや建築家などの自由な発想に任せておられるとのことでした。
具体的な活用事例にあたっては、同社HPもご覧いただければと思います。
倉庫見学の後は、徳田社長の講演&質疑応答タイム。訪問日当日にお願いしていた質問に対して、なんとすでにPowerPoint資料(&お菓子・飲み物)を準備してご回答くださいました。社長の気配りに心が温まります。木を相手にするお仕事ですが、木を通して、人に真摯に向き合っていることが伝わってきました。
3.感想
吉野中央木材さま、徳田銘木さま、どちらもSDGsを特に意識せずとも、自然に実現されていることが印象的でした。私たちもSDGsを頭で理解することも大切ですが、現地の空気を吸って、五感をフルに使って、全身で実感することも大切だなぁと思いました。
こぼれ話
急遽立ち寄った道の駅にて、土産物店に木製品が並んでいるのが気になって覗いてみました。そこには、おしゃれな木製スピーカーやキッチンツールなどがずらり。そしてなんと「SDGs事業認定証」が掲示されていたのです!少しだけ運命を感じました。笑